星降る夜



「嫌な顔、しないんだな」

先生の言葉が私に向けられているという事に気付くのに、少し時間がかかった。


「嫌な顔?」

「そう。中野みたいなタイプは喫煙者に厳しいのかと思ってた」

「別に、そんな事は・・・」

「ほら中野、優等生だし。こうやって俺と話す事もないだろ?いつもどこで息抜きしてんだろって思ってたから」

「・・・」

「大丈夫。俺、別にこうやって授業サボる事は悪いと思ってないし。内申にも響かせないよ」

「・・・ありがとうございます」


私は答える。


「いや、さすがにコイツ程だったら出来る事も出来ないけどさ、ほら青春なんてすぐ終わるし。楽しむのも大事だよ」


先生は大きくタバコを吸って紫煙をはいた。
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