【短編】ウラハラ


私は窓の外に視線を移した。

お店のネオンやビルの明かりからどんどん遠ざかる。

そのうちにポツポツと小さい街灯が立っているだけの静かな車道になった。



どこに行く気なんだろう。



見るところもなくなって仕方がないからまた隣の人に目を戻す。


真横を見る勇気はないので、チラチラとハンドルを握る手を見た。



大きい手だな。

指が長くて色っぽい。



って、何考えてるんだろ、私。


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