【短編】ウラハラ


「着いたよ」

そう言われて顔を上げたけど、外は真っ暗で特に何もない。
街灯もいつの間にかなくなってる。


夜景でも見るのかなって思ったけど。


「どこですか?ここ」

「お気に入りの場所」


柏木さんの言葉と共に急に景色が開けて私は思わず声を上げた。


「…空港だぁ!」


広大な滑走路。

その彼方にスポットライトを浴びたように暗やみに浮かぶ飛行機が見えた。


「すごい!初めてみました!」


はしゃぎながら柏木さんを見ると、柏木さんは真正面から私を見ていた。




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