Milky Way
「琴っ!!」


(シンの声…)


驚いたように目を見開くとすぐに駆け寄って私を抱きかかえる。


「琴!大丈夫だからね!」


また私を見つけ出してくれた。


彼女も紙袋なんて持ってなどいなかったから公園に来る前に寄ったコンビニのビニール袋を取り出して私の口へと当てる。


「はぁっ、はぁはぁ…」


背中を優しく撫でてくれるシン。


「ゆっくりでいいからね。琴、大丈夫だよ。」


優しいね。

いつも私を助けてくれるのはシンだよ。

恋人になれて、それが当たり前になってきてしまっていたこの頃。

離したくないって想いが少しだけ隠れちゃっていたのかな。

やっぱりあなたと離れるなんて私には無理なの。

今またそう思った。

道徳なんて意味がない。



「シン…あり、がと。」

「苦しいの大丈夫?」

「うん、治まったよ…」

「そっか、良かった。」


シンはゆっくり私の体を起こすと手を取った。
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