あめとてるてる坊主
 それを気取られたくなくて、かばんからタオルを取り出して、はいっと渡す。


「また、ありがとう」

「あはは、どういたしまして」


 彼は笑いながら、そのタオルを首にかける。


「今度こそ、俺が使わせてもらうよ」


と笑う。

 本当に、なんて、まぶしいんだ。


 太陽なんかよりもずっと、ずっと。

 彼の近くにいたら、私は溶けてしまうかもしれない。

 太陽なんかよりもずっと、私は熱くする。
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