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何だかんだ言っても母からしたら私は可愛い娘・・・であって欲しい


普段はあっけらかんと陽気な母だが

返ってくる言葉は後者が予想される





私は喉元まで出掛かっている言葉を飲み込んだ



「そろそろ帰るね」


「もう?お雑煮沢山作ったのに」


母は私の好物である雑煮を大量に作っていてくれた

恐らく実家に居る間は毎食のように、お雑煮だろう



「ごめんね、年末仕事が忙しくて部屋の片付けが出来てなくてさ」



取って付けたように、どうでもいい用事を言い訳にした




本当は1人で居る事に耐えられないだけ


母が居るじゃない


1人じゃないんだけど、今私が居たいと思うのは母じゃなかった
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