本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
12月24日と25日の2日間1日1500個のショートケーキを売り上げる約束をした接客サービス係の小池花子さん。


オープン前から緊張している事が隣にいる僕にも伝わります


でも何時もの様にムンムンとした気合も感じられて流石お祭り女!


と気持ちで気合を入れました。


本当に言うと怒られてまた能面になられても困るので


僕の隣には小池さんが静かに微笑みながらオープンに向けて背筋を伸ばして立っていました。


僕はそんな小池さんに何時も言うんです[その立ち姿は凛々しい]と


そう言われた小池さんは満更でもない顔で頷きます


そんな小池さんを見てにゃにゃしてしまいました。


『小池さんケーキつまみ食いしないで下さいよ』


『私、ケーキ苦手なんで食べません』


『えケーキ苦手なん?その苦手なケーキ売るんですよ』



『大丈夫です食べ無くても美味しい顔は出来ますから』


まるで女優の様な自信満々な言い方でしたのでね聞いてみたんです



『どうやって?』



すると小池さんは僕をニヤリと見ると何も持っていない両手に空気を集めるとまるでケーキを持ってるかのように優しくその空気を包んで幸せそうな美味し顔をしました


僕の今迄で一番好きな小池さんの顔でした


その日以来2度とその顔を見る事が出来ませんでしたから今でも気持ちの中でハッキリ忘れないようにしてるんです




『まっさん完売したら本買ってよね』


『いいですよ。って何で何時も本なんですか?他に欲しい物ってないの?小池さん僕の土産ずっと着けてくれてますねありがとう』



それは僕が小池さんに誕生日にと買って出張の土産と言って渡したキラキラしている水晶のブレスレット


『魔男除けです』


『アハハ!だから近づけないんですね小池さんの気持ちに』


そう言った僕を苦い顔で見た小池さん

『仕事中に無駄な話をしないで下さい』


って笑ってました

その空気と距離感が近いと思うと小池さんは僕の物のような気持ちになりました


でも僕知ってるんですこのイベントが終わった後の事を

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