本屋の花子〜恋をしたら読む本〜

カラオケ「ピンポンピン」で眠ってしっまった僕を鯛が叩きお起こしお開きになったある[松本の会]の飲み会






『もう俺の前から消えてくれっ!』



僕は思わず前を楽しそうに歩く鯛と小池さん




『まっさん。なんや?』



鯛が僕に近づきながら聞いて来た




僕の隣を歩いていた由加が苦笑いしながら小池さんに向かって面白そうに叫びました



『まっさんな。由加と歩きたくないんやて小池ちゃんと手を繋ぎたいって怒ってるわ。ブハァハ』



『まっさん。勘弁したれ大概無理言って小池困ってるぞ』



鯛がそう言って小池さんの前に立ちはだかったのが気に入らない


手を繋ぎたい僕は益々駄々をこねてしまいました


『もういいからお前消えろ』





暫く僕を見つめた小池さん





『はいっ。どうぞ』



と右手を出して来た[マジでぇ〜]急に機嫌がよくなる僕


僕の左手を小池さんは右手で繋ぎ手をユラユラ振りながら半ば引っ張る様に歩き始めました。




何だか幸せでした


小池さんもニコニコと嬉しそうで僕も嬉しかった


だけど



『痛い!』



僕は繋いでいた手を離して言いました



『お前。痛いねん力いれんでくれよ』


急にお前呼ばわりですよ僕




『私。手を繋いで歩いた事ないですからっ』



小池さんはまた泣きそうになって目尻に着いた涙が僕を動揺させてしまいました。




『手を繋いで歩けよ』



そう言って僕は小池さんの右手を優しく掴みました



『俺が握るから小池さんはそのまんまでいいよ』



小池さんの手は長くて大きくてザラザラしていました

僕、こんな手嫌いでは無いです




また小池さん泣かしてしまいました







ふと目が覚めた僕は何時かのそんな記憶を夢みてました


朝、6時です起きないといけませんがあの時の小池さんの手のひらの冷たさを思い出してまた目を閉じてしまいました

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