『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第3節『水と俺とカトリーヌ』

―西暦20009年―


―魔法化学都市・シャンバラ―



俺はカトリーヌを俺の親父の研究所の中庭に有る湖まで連れて行き、そこでカトリーヌに水達を紹介しようとした。



―研究所の中庭―



『え?ここってジャンヌのお父様の研究所じゃない。』


『ここに、私にも会わせたい人が居るの?』



湖に着いた途端、カトリーヌが俺にそう言った。



『それに…“会わせたい人”って?』



更に、俺にそう言うカトリーヌに対して、俺はカトリーヌにこう言った。



『いや、別にカトリーヌに会わせたい奴らは“人”じゃ無いんだ』


『“人”じゃない?…』


『じゃあ動物さんかなにか?』


『ううん。違うよ俺がカトリーヌに紹介したいのはこの湖の水達の事だよ』

『“水達”?…』



そう言うと俺はズボンのポケットから昨日水達から貰った首飾りをカトリーヌに見せた。



“ジャラジャラ”



『うわぁ綺麗な首飾り〜ジャンヌ、それどうしたの?お父様から貰ったの?』


『いや、実はさぁ、昨日俺がこの湖に落ちちゃってさぁ。』


『え湖に落ちたの』


『そしたら、俺を湖の水達が助けてくれてさぁ』


『“水達”?』


『その時に、水達から“友達の証”って言われて貰ったんだよ』


『えちょっと待って』

『“水達に助けて貰った”ってどういう事?』


『いや、俺も最初は驚いたんだけどさぁ。俺、水達と会話もしたんだぜ?』


『え…』



俺の言葉に半信半疑のカトリーヌ。


俺はそんなカトリーヌに解りやすい様に、カトリーヌの目の前で、水達と会話する事にした。



『う〜ん。じゃあ、今水達と俺が話してみるよ』


『ん?…』


(なぁ聞こえてるんだろう?居るなら返事してくれよ)
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