『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第4節『白い悪魔と始まりの鐘』

―西暦20011年―


―魔法化学都市・シャンバラ―



俺は、立ち止まった影と、足音、それと水達の言う“悪魔”と言う言葉に怯えながらも後ろを振り返った。

振り返った俺の前には、真っ白い白衣を身に纏い、白髪の若い男だった。


そして、その男はこう言った。



『始めまして。君がヴァン・ダルク教授の娘さんのジャンヌ・ダルクちゃんだね』


『………』



ぱっと見、ニコニコしていて話し方や声も優しくいい人そうな感じだった。


しかし…何故か俺には気に食わないツラに見えた。


何故だろう?


こんなにいい人そうな顔なのに…


何故だろう?


こんなに優しい声なのに…

すると、そいつは話しを続けた。



『あれ?どうしたの?もしかして驚かせちゃったかなぁ?』


『ゴメン、ゴメン』


『別に驚かすつもりは無かったんだよただ、君が水と話しが出来る“水に選ばれた人間”って聞いてねぇ』


『お兄さん誰お父さん達と同じ白衣を着てるから、お父さんの友達』


『あ〜ゴメン。自己紹介がまだだったね』


『僕はミカエル“ミカエル・モンタギュウ”』


『まぁミカエルの“ミカちゃん”って呼んでねジャンヌちゃん』


『“ジャンヌちゃん”はやめろよ』


『えジャンヌちゃんは何で怒ってるの?』


『俺は“ちゃん付け”されるのが嫌いなの』


『え〜女の子なのに?可愛いじゃんジャンヌちゃんの方が。』


『それより、お兄さんは“何なの”?』


『え“何なの”って何が?名前ならさっき―』


『そうじゃなくて』


『ん…』


『お兄さんを見た水達が言ってたんだお前の事を“悪魔”って』


『………』



ミカエルの言葉が一度止まった。
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