『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
『そう。シャルル6世様亡き後のローさんが出た戦は、不思議な事に、戦いに勝つのは、ローさんの加担した軍なのに、死者が出るのは絶対ローさんが加担した方の軍の人なの。』


『それに引き換え、ローさんの敵になった軍は、戦では負けても、死者は一人も出ない。』


『戦で死者が一人も』


『どういう事だそりゃ?』

『それが解らないのよ。噂の中には、敵と内通していて、って言う黒い噂もあったり。“味方殺し”なんて呼ぶ人すら居るくらい。』

『あと…シャルル6世様が亡くなる前の最後の戦の最中にローさんが悪魔と契約を交わすところを目撃したなんて言う人も居るわ。』

『でも…今私が話した事は、全て噂に過ぎないの。だから実際、どれが真実かなんて解らないわ。』


『そう考えると、やっぱりローさんは“謎だらけの”人としか言えないわね。』

『そっか…ありがとうな。』



(前国王の隠し子?…)


(悪魔との契約…)


(味方殺し…)


(戦の左右する程の力…)


(やっぱり、本人に聞くのが一番だな。)



俺達もそれから眠りに着いた。
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