『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
―ユリウス歴1400年―


―フランス―



俺とハイドは毎日国中を転々とし、特定の住家など持たずただ落ち合う場所だけ決めて各々自分達が奪って来た物を持ち寄り生活をしていた。


俺達の中では、二人で一緒に奪いに行くより、一人一人の方が都合が善かったからだ。


それと言うのも、俺達の目標は、世界中の誰よりも強くなって、世界の頂点に立ち、この世界から争いを無くし、平和な時代を作るという事だったからだ。


“それまでは何が有っても生き残る。”


それが俺とハイドの間で交わされた唯一の約束だった。


その為、二人バラバラに動けば、もし狩りにしくじって捕まる事が有ったとしても、共倒れする事は無い。最悪一人は生き残れる。


冷たいようだが、それぐらい俺達の覚悟は本物だった。


そんなある日。


俺は一人ハイドよりも速く狩りを終え、その日の待ち合わせ場所でハイドの帰りを待っていた。



(遅っせえなぁ〜、ハイドの奴…)


(一体何処まで狩りに行ってんだよ?)


夕日が沈みかけ、もう夜が近付いていた。


俺達は基本的に夜暗くなると、狩りはしないようにしていたにも関わらず、その日のハイドは何時に無く帰りが遅かった。


『もう夜になっちまうよ〜』


『もしやアイツ、捕まっちまったか?』



俺が痺れを切らし、そう呟くと、後ろからハイドの声が聞こえた。



『誰が捕まったって?』


『あハイド』


『“あ、ハイド”じゃ無ぇよ。誰が捕まる様なヘマすっかよ?』


『悪りぃ、悪りぃ。つい帰りが遅かったからさぁ。』

『いや、実は今日は結構な上玉の家の空き家を見つけてさぁ』


『そしたら、出るわ出るわ』


『え食い物んか肉かパンか』


『今日はスゲェぞ〜』


『んじゃまたいっせぇ〜の〜せぇっと行きますか』


俺達は互いにその日の成果を見せ合うのが、お決まりだった。



『んじゃ、いっせぇ―』


『ちょっとまったぁ〜』

『え』



俺がいつもの掛け声を言う途中でハイドがまったを掛けた。
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