『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第7節『俺と私と神の声』

俺は、くじいた足首に両手で触れ、魔法化学で自分の足首の元素をいじり、足首を治療した。


そして、再びその場に立ち上がった。


そして改めて、辺りを見渡し、自分の居る場所を確認し始めた。



『ここは…何処だ?』


(あまりここから動かない方が良いかなぁ?)


(今頃、カトリーヌ達が俺を捜してくれてりゃ良いんだけど。)



俺がそんな事を思っていた矢先、何処からともなく、聞き覚えのある声が、俺の耳に聞こえて来た。



『ジャンヌやっと見付けたぞ』


『えその声は、マルグリットか?』


『あぁ、私だマルグリットだ』



すると、マルグリットの声を押し退けるかの様にして、次の声が聞こえて来た。


『うぁ。』


『ジャンヌジャンヌなの』


『私よカトリーヌ私達の声が聞こえる?』


『あぁ聞こえてるよ』


『ってかさぁ〜俺の居るここって何処な訳?』


『まぁ良いや…そんな事より、俺を見付けてくれたって事は、すぐに帰れるんだろ?』



俺がそう尋ねると、カトリーヌからの返事は返って来なかった。


すると。



『その事は僕が説明するよジャンヌちゃん。』


『その声はミカエルか?』


『ミカエル、頼むから何とかしてくれよ〜。』



俺が、カトリーヌ達との会話をして居ると、俺の背後から足音が聞こえ始めた。


“ガサッガサッ”


“コツッコツッ”



(ん誰か来る…)



俺はその足音に気付き、咄嗟にその場から立ち去り、木の陰に隠れようとした。

しかし、慌てて走った性で、足を滑らし、地面に頭を打ち付けながら、小さな下り坂を、転がり落ちた。


『うっっ、うぁぁぁ〜』


“ゴロゴロ、ゴロゴロ”


“ガチャガチャ”


“バタン”



俺は、その落ちた衝撃の性で、頭がクラクラして、徐々に、俺の意識は薄れて行った。


薄れ行く意識の中で、俺の転げ落ちた場所から上を見上げると、さっき俺が聞いた足音の主らしき人が、空に向かって喋ってる光景が見えた。
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