『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第2節『二つの名を持つ国』

西暦20019年。


―魔法化学都市シャンバラ―



何から話せば良いのか分から無ぇから、取り敢えず、今の俺達が住む“地球の事”から説明しよう


まず今、俺達が住む地球は昔の地球の様に陸が広い訳では無く。


地球の大半が海に覆われていている。


その最も大きな原因としては、大気汚染に寄るオゾン層の破壊。


それに伴い、昔で言う南極や北極の氷が“全て”溶けた為である。


そして、その大量に溶け出した氷は忽ち、地球全土に広がり始め、今となっては“広大な海”の上に数々の“島国”が存在する様になった。


そして、その数多くの島国の中で最も化学が進んでいる島国。


“魔法化学都市シャンバラ”に俺は住んでいる。


そして、この時代の人々の常識は、昔の地球とは少し違っている。



その違いの中で、最も大きな違いと言えば、やはり“国の名前”だろう


昔の地球の人々とは違い、今の地球の人々の常識として“一つの国”に与えられる名前は“二つ”であると言う事。


そして、俺の住む島国“魔法化学都市シャンバラ”も、その例外ではない。


俺が住む島国の二つ目の名前は…


“水の都sink・Atlantis”…



では何故、“一つの国に二つの名前があるのか?”


その答えとは、実は単純な物だ


一つ目の名前は、その国の“目指す物”=“未来”を示し。


そして、二つ目の名前は“その国の傷”=“過去”を示しているんだ


何故、“傷=過去”これにもちゃんとそれなりの“理由”がある。


俺達人類が今までに仕出かして来た“罪”…


つまり、“醜い戦争”や、“下らない風習”それら全ての“犠牲”と成った物がその国の第2の名前の由来でもある。


勿論、人類の歴史が“罪だけじゃない”と言う事も知っている。


だが。敢えて、昔の罪から得た教訓を忘れない為にも、“昔の傷”を第2の国名とし、“未来”(その国の目指す物)へと繋げる為でもある。
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