『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第8節『カトリーヌの気持ち』

―魔法化学都市シャンバラ―


西暦20019年


―魔法化学室―



私とミカエル先生とマルグリット先生は、なんとか今ジャンヌが居る場所を突き止める事が出来ました。


しかし、私達が見付けたジャンヌの居場所はなんと、14世紀のフランスだったんです。



『ジャンヌちゃんを見付けたぞ』


『え本当ですか?ミカちゃん先生』



すると、私達の目の前に歩きながら空を見上げ、辺りを見渡すジャンヌの立体映像が映り出されました。



(良かった〜。ジャンヌ、怪我とかはしてない見たいだし。)



私は、ジャンヌが生きていた事と、見付かった事に安心して、そっと胸を撫で下ろして居ると、私の隣に居たマルグリット先生も安心した表情で、こう言いました。



『全くジャンヌの奴は何してるんだ』



いつもジャンヌとは、犬猿の仲のマルグリット先生のこの言葉を聞いた私は、何故か凄く嬉しい気持ちになりました。


そして、一息着いた後に私はミカエル先生に聞きました。



『ミカちゃん先生。私達にジャンヌの立体映像が見えてるって事は、ジャンヌからも私達の事が見えてるんですよね?』


『さぁ〜、残念ながら、それは僕にも分からないんだ。』


『“分からない”…ですか?』


『あぁ。実際、僕達からジャンヌちゃんを見る事が出来てるからと言って、ジャンヌちゃんから僕達の姿が見えるって言う保証は何処にも無いんだ。』


『しかも、本当なら“行ける筈の無い過去”の映像が映ってるだけでも奇跡見たいな物だからね。』


『だから、僕達が今見ているこの映像だって、いつ消えても可笑しくは無い状況なんだ…』


『そんな…』
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