『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第10節『ピンチ×ピンチ=最悪?』

―14世紀・フランス―



森の中へと消えて行ったジャンヌを見届けた俺は、ミカエル達が喋り出すのを少し待った。


しかし、ミカエル達が、中々喋り出さなかったので、俺からミカエル達に語り掛けた。



『お〜い…ミカエル〜?』

『聞こえてっかぁ?』


『ジャンヌならもう居ねぇから、普通に話して平気だぞ〜。』



すると、俺の言葉を聞いたミカエル達がやっと喋り始めた。



『お〜、ジャンヌちゃんゴメンゴメン』


『実はさぁ、さっきよりも大分通信状況がよろしく無くてさぁ〜。』


『今は、僕達からそっちの映像が、映ったり、映らなかったりでさぁ〜。』


『そんな事だろうと思ったよ。』


『それより、どうだった?』


『どうだったって何がだよ?』


『何がって、そりゃ〜“僕の大天使の演技に決まってるじゃないか』


『いや〜自分で言うのもなんだけど、中々の出来でさぁ―』



すると、自分の演技の事を、自慢げに話すミカエルを押し退ける様にして、今度はカトリーヌが俺に話し掛けてきた。



『ジャンヌ聞こえる』

『あぁ良く聞こえてるよ。カトリーヌ』


『ジャンヌ、さっき凄い物音がしたけど大丈夫?怪我とかしてない?』


『あぁ俺は健康そのものだよ』



そんなやり取りをしながら、俺は会話を本題に戻した。



『最初は、マジでビビったよ〜。』


『突然、ワームホールを潜ったら14世紀だもんな〜。』


『でも、なんで行けない筈の“過去”に来てんだ?俺?』


『確か、ミカエルの話しだと、“タイムマシンとかで時間移動出来るのは未来だけ”の筈じゃ無かったのか?』


『まぁ、良いか無事に帰れるんだし』


『………』
< 59 / 229 >

この作品をシェア

pagetop