太陽に輝く君 -夢空-


無言の隼翔に
さっきから手を取られて
大輝の家の玄関まで降りてきた。


「なんかごめんね?」

「謝らんくてええよ,
俺が勝手に来たんだから」


そういった隼翔につられて
ブーツを履いて,
大輝の家の玄関を出た。


4月の中頃の夜8時。
もう外は十分に暗かった。


「ほら」

大輝の家を出てすぐ,
大きな右の手のひらを
隼翔があたしに向けて
差し出した。

戸惑って黙ってたら

「暗いし,人通り多くなるから」

って言って
あたしの左手を優しく包んだ。

「ありがと」



そう言ってあたしたちは
歩き始めた。
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