太陽に輝く君 -夢空-
「真帆家どこにあるの?」
住宅街を抜けて
少し周りが明るくなってきたころ
隼翔かあたしにそう問いかけた。
「ここから電車で40分くらいかな。
隼翔はここの近く?」
「大輝も菜緒も俺も
駅は地下鉄で同じだからな」
「あたしもみんなの近くがよかった」
そう微笑んだら
隼翔もこっちを見て少し口元を緩めた。
握られてる左手から
隼翔の暖かさが感じられる度に
都会の緊張感が少し和らぐ。
「明日は練習ないの?」
「今日と明日は休み。
来週から春季大会始まるのにさ…」
「監督の気分なのかな」
「かもな。
初戦は多分勝てる。勝負は
準決勝あたりからだけど」
「やっぱり桜山って
すごいんだよね」
「先輩たちすげ-もん」
「いつかは隼翔や大輝たちが
後輩からそういう目で見られるん
だろうね」
「そうだとええな」