太陽に輝く君 -夢空-



「よし!!
ちょっと寄っていい?」


いきなり隼翔が
あたしの手を取って
立ち上がった。

駅前で買ったグローブを持って
歩き始めた。


「大丈夫?」


「…うん」

なれない砂浜に足を取られて
ヒールは砂でグチャグチャ。
足も疲れてきた。


「はい」


そう言って隼翔はしゃがむと
大きな背中をあたしに向け,
「おんぶしたるから」
とだけ言った。


迷うあたしの手を取って,
背中に負ぶわれ隼翔は
そのまま砂浜を歩いた。

長い砂浜を抜けたところで


「降りる」


と言うと静かにしゃがんで
あたしを背中からおろした。


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