記憶 ―夢幻の森―


「…会えるよっ!!あたし、キースが見つかるまで…ず~っと探すから!」

ワンッ!
『――俺もッ!俺もぉッ!』


そう言ってくれる二人は、
涙を堪えながら…、

強い瞳で笑顔を貫いた。


あぁ…
ハルカは、強いな。

本当に弱いのは…、
心が弱いのは、俺の方だな…?


ハルカの笑顔は、
いつも俺の凝り固まった心を解す。


――逢えるんだろうか…?

そう…、
ほんの小さな希望を持ち始めていた。

それは。
小さな、小さな…

『光』――…



「…ハルカは、強いな…?」

俺はローブで自分の溢れんばかりの涙を拭う。
溢れ落ちる前に…。

そして、ふふっ…と必死に笑った。


「…強くないよ。強くなれたんだとしたら、それ…は…、キースのおかげなんだよ…。…ふぇっ…」

笑顔のハルカの表情が、崩れていく。

小さな泣き声を漏らして、
肩を震わせた。


「ハルカ…」


「お友達になってくれて、あり…がとう…」


――カランッ…


俺の捨てた剣が、
幾つもの光輝く石の上で、そう音を出す。


「…ハルカ…!」

俺はハルカに駆け寄って、
力一杯、彼女を抱き締めていた。

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