僕と君との境界線【BL】
きっと、あの拳は、確実に桃井の白い顔に振り下ろされるであろう。
桃井は、戌井を後ろ背に回し、橘を見据えていた。
体格のいい橘を、力詰めで、あるいは羽交い締めにして止める腕力が僕にはない。
だけど――…。
頭よりも先に、僕の身体は動いていた。
「橘…やめっ…!」
「あっ…!」
僕の声の後に、戌井の悲鳴が聞こえた。
酷く、鋭い痛みが――、僕の頬に走る。
橘の拳が、桃井の前に飛び出した僕の右頬に、クリーンヒットしたのだ。
「史高っ…!」
地面に身体が叩きつけられる…。
そう思うよりも先に、桃井の腕が、勢いよく僕を抱きとめた。