僕と君との境界線【BL】
「戌井とは…もうちゃんと話あったのか?」
「まぁ…、会えただけでも。その先は、これからゆっくり考えていくさ」
「ふーん…」
結局、僕がひとりで悩んで、迷って、泣いて――…桃井の策略にどっぷりとつかってしまっていたなんて、釈然としない。
真新しい清潔なガーゼが、僕の唇にあてられた。
出血はもう止まってはいるが、舌が動くたびに痛みも発した。
たぶん、今日はご飯抜きだろうな…。
「傷は、まぁ、大丈夫だけど、明日は腫れが出るって…、保険医が用心しろってさ」
「…その保険医は?」
桃井は制服の胸ポケットから、ごそごそと何かを取りだした。
「ほら…」
桃井の手のひらに光る、小さな鍵。
「戸締りをまかされた…後は、史高が帰れればの話だけど…」
「それなら、もう平気だ」