僕と君との境界線【BL】

「さんざん、僕をふりまわしやがって!嘘で付き合って…、そりゃ、桃井はいいだろう。戌井とは結局、元通りになれるんだし…。よかったじゃないか!」


よかったじゃないか、おめでとさん。


そう言いながら、僕は矛盾にも怒っている。

それはおかしい…。

本当に、よかったと思っているんなら――…喜んでやればいい。


だいたい――…、最初からそうするつもりで、屋上に出向いたんだ。

桃井の報告をきちんと聞いて、それで…、それで、よかったなって。





「人前でベタベタしやがって…いい迷惑だ!アホ!」



ゆるゆると、僕の涙腺が弱っていく。

こんなはずじゃなかった…。


もっと、かっこよく、潔く…何にもなかったかのように、去るつもりだったのに。




「抱きついたり…、キ…スしたり…、そんな事するくらいなら…そんな事…する――…から…」


「したの?」


戌井の問いに、桃井は答えなかった。


僕は完全に、糸が切れてしまった。


< 95 / 117 >

この作品をシェア

pagetop