僕と君との境界線【BL】
「ヤダ…」


なんて、桃井はますます僕を抱きしめる力を強めていく。

なんだ?

なんで、こんなことするんだ?



「桃井!」


桃井の肩をぐいぐいと揺さぶった。



「翠…離してあげたら?」



戌井はため息をつきながら言った。

そうだ――…戌井が…、桃井の彼女が見てるんだぞ!



「桃井っ…」


渾身の力を込めて、僕はようやく桃井から離れた。

もみくちゃに抱きしめられたせいで、僕の頭が逆立っていた。

顔を真っ赤に火照らせた僕に、桃井は残念そうに舌打ちをした。



「なんで…、何、やってんだよ!」


「好きだから」





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