狼さんの好きな人
そんな私の気持ちを察してか…


「わりぃ。怖かったよな?俺、男の前ではこんな感じだけど…ひよりには怖い思いさせないから。もちろん、女に暴力なんて振るったりしねぇから。安心しろ。」


私の頭を撫でながら、いつもより優しい口調で言っていた。


「はい…」


皆、ゾンビの様にフラフラと歩きながら体育館から出ていった。


まるで、バイオハザードだ…。


あ。お兄ちゃんに枢とびっくりドンキーに行くこと伝えなきゃ。


「お兄ちゃん!!」


「な…に…?」


うわ…


死んだ魚の目してる…


「今から枢とびっくりドンキーに行ってくる。」


「………。夕飯前には帰ってこいよ?」


「うん。」


「枢…」


お兄ちゃんの声がちょー低い…


「何だよ。」


「ひよりを泣かせたらタダじゃすまさねぇからな!!わかってんだろーな?いくらお前でも殺すぞ。」


低い声でゆっくりと話すお兄ちゃんは、私が今まで見たこともない怖い顔をしていた。


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