COOLな彼女×HOTな彼氏
うつ向いて、もう寒さで
意識が飛びそうだ。
「ねーねー?彼女一人?」
…………。
「無視?無視?ちょっと顔あげてよ」
うざい。ナンパじゃん。
気持ち悪い。触んないでよ。
頭では思ってんのに
寒さで口も体も動かない。
「彼女聞いてる?無視してっと手出すよ?」
「…しょい。」
やっと声が出た。
「え?何て?」
「…きしょいっつってんだよ。どけろよ手。」
寒さでイライラしてたあまり、はっきり言っちまった。
男の顔を見て、メンチまで切った。
「あ?なんだとてめぇ?
ちょっとこっちこいや。」
汚い手に引っ張られる腕。
汚ねぇ。離せよ。
てかこんなやつらとヤる気ないんですけど。
力が強まり、ぐいっと腕を引っ張られた。
その時
パシッ
「やめろよ。こいつオレのなんだよ。」
は?…誰誰誰!?
わたしの前に
誰かが立っている。
なにこのマンガ的展開。
笑っちゃうんですけど。
「いってぇな…!!やんのかてめぇ?」
「お前次第だけどな?」
ぐぎぎぎぎ。
男がナンパしたやつの腕を掴んだ。
すごい力で腕をひねっている。
「ってぇ!離せよ!」
「あ?」
男の声が1トーン下がった。
顔は見えないけど
かなりケンカ強いみたいだ。
「…すっすんませんした!」
男は手をパッと放した。
ナンパしたやつは
そそくさと逃げるように去っていった。
まぢださい。
へたれ野郎は嫌いだ。
てか……………気まずい。
何て言ったらいいんだろう。
考えていたその時
「大丈夫?」
男がわたしに話しかけた。