私のSweets Boy 2

大学の中庭で

全サークルの紹介が書かれた掲示板に見入る

1年生たちにチラシを渡しながら声をかける。


今は、貴重な昼休みの時間なので、
なるべくたくさんの1年生にチラシを渡す。

チラシを渡して、
私の話を興味ありげに聞いてくれてた
女子生徒の後ろから、
ひょい、と顔を出した
やたら、愛想のよさそうな
メガネをかけた男子生徒が
私に質問してきた


「ねぇ、先輩、
ココに書いてある、
夏に出品する映画コンクールって
配役、決まってンの?」


「え? まだよ、 
たぶん、演劇部から応援してもらう予定なんだけど・・・」


「ふーん・・・
ね、先輩、
俺、入りたいんだけど・・・」


「・・へ? ほ、ホントにっ?!」


「うん・・・」


ニコリと笑うメガネの奥の瞳が、
何か、意味ありげだったけど・・・


「じゃぁ、ココに学部と名前書いて、
あ、連絡先も、
次の集まりの時、連絡するから」


私が差し出した用紙にサラサラと達筆な字で彼が書いた


「坂口湊人(サカグチミナト)くんね、
私、一ノ瀬麻紀 2年よ、ヨロシクね!」


「はい、お願いします」


軽くお辞儀をした彼は足早にこの場を去っていった。




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