フォトグラフ
暇な俺は、続きを読む事にした。
シーンとなる俺の部屋。
哲哉がパラっと紙を捲(めく)る音がなった。
え…。早くねっ?!
哲哉に追いつかれる!!
別に追いつかれてもいいのに、負けず嫌いな俺は集中して読み始める事にした。
一時間半後ほとんど追いつかれながらも、中学生編を読み切った俺はベッドの上に転がった。
今までにないぐらい集中して読んだかも…。
ゴーロゴロしてると、
「おい、終わったぞ。」
と、哲哉に声をかけられた。
「早!流石だな。
で、どうだった?」
「そうだな~。
俺も透子と出会ったのは中学生だから、
幼稚園の時とか小学校の時の勇人の気持ちは、ちゃんとはわかんねぇ。
けど、勇人も皐月もお互いを大事に思ってて、
小学校編の勇人は、皐月を守ってやりたかったのに傷つけてしまった。
ってな感じだよな。
極力男から謝りたくないっていう、男としてのプライドもあるしな、なかなか謝りにくいだろうな。
でも、好きな女の子を傷つけてしまったから謝りたい。けど、嫌いって言われるのが怖いから謝れないってとこか。
」
そこらへんまでは、なんとなく分かっていた俺は、うんうんと頷いていた。