フォトグラフ

★three scene 『プロフェッショナル』





「俺は谷 圭登(たに けいと)。

基本的にはメイク担当です。

今日は衣装も担当だけどね。予算少ないし。

衣装もだいたい同じだし、男の子相手だから、あってないような係りだけどね。

よろしく!」



ニコニコしながら、爽やかに挨拶された。



今は俺に用意された個室に谷さんと俺がいる。



てっきり谷さんは衣装担当だと思っていたがそこまで予算でなかったらしい。



「男の子の相手」って事はさっきの女の子には別に衣装・メイク担当さんがいるのだろうか。



「梨野 國(なしや くに)です。こちらこそ、よろしくお願いします!」

ぺこっと頭を下げた。



優しいお兄さんのような谷さんが担当で良かった。



かなり緊張していた俺は谷さんの出す爽やかなオーラに緊張が少しほどけていくのを感じた。



「元気いいね。
じゃ、早速着替えようか。若いっていいよね。

俺が着たらもうコスプレにしかならないからね。」



そう冗談を言いながら、ガサゴソと衣装を包んでいたビニールをはがし、ハンガー付きのそれをはいっと渡された。




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