フォトグラフ




「学ランっすか…。」

ポソッと零した俺に

「えっ、着た事ない?」


と、驚いた谷さんは俺を見て、


「あぁ、中高ブレザーの学校だった?」と尋ねた。


「いや、中学は学ランでした。また学ラン着る事になるとは思ってなかったんで…。

制服とは言われてたんですけど、ブレザーイメージしてました。

じゃ、着ますね。」


あぁ~と途中軽い返事を返していた谷さんも、俺が着ますねと言った途端に仕事モードの真剣な顔になった。



その場で着ていたブレザーを脱いでいく。



恥ずかしい事なんてない。メイクさんや衣装さんの前で脱ぐなんて、最初はまだしも、もう慣れたもんだった。



今日は相手が男の人だけに余計に躊躇がなかった。



タンクトップとパンツ一枚になった俺を見て、


谷さんはやっぱいいカラダしてるよね~と言っているぐらいだ。




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