風のおとしもの。



昼は相変わらず別々に食ってるみたいだ。
さっさと教室を出る小鳥遊を視線だけ追いかける佳代に倣う。


「………っ」


さっきみたいになんのはわかってるのに、考えるよりも先に体が動いた。





「…いた」


夏休みだから下の学年の階は空き教室だらけだ。


「あ………」


選択授業の教室に手を掛けた小鳥遊が俺に気付いた。


「………よぉ」

「どうしたんですか?」

「……飯、食おうと思って」

「あの…」

「今中庭も屋上もあちぃし、教室はうっせぇだろ」

「………」


黙んなよ。
やりづれぇだろ…。


「お前、どこで食うんだよ」

「……ここで…」

「じゃあ俺もそこで食う」


小鳥遊の横から手を伸ばし、扉を開ける。
やっぱクーラーねぇとあちぃな……つけるか。


「……入らねぇの?」

「ぁ、はい」


棒立ちの小鳥遊に声を掛ける。
すると小さな声で返事され、小鳥遊が教室に入ってから扉を閉めた。






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