風のおとしもの。



「しばらくは蒸し風呂だな」

「窓開けときますか?」

「そーだな、そっち頼む」

「はい」


…疲れた顔してる。
こいつ肌綺麗なのにな、心なしか荒れて見える。


「村井君が学校に来るの、久しぶりですね」

「そうだな」

「……私と一緒にご飯食べたかったんですか?」

「なっ」


上目遣いに覗かれてドキリとする。

んなわけねぇだろ!
普段ならそういうハズなのに、言葉に詰まる。
すげぇ柔らかく笑うから、一瞬みとれた。


「…ふふっ、顔赤いですよ」

「ばっ、これは暑いから―――!」

「へへへ」


思い切り顔を逸らすが、間抜けな笑い声が聞こえる。
ちくしょー……。


「いいから、食うぞ!」

「はい」


してやられたカンジがしてつまらない。
でも席に向かう時盗み見た顔は笑顔のままで、やっぱりこいつにはこっちの方が良いと思った。



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