風のおとしもの。




「………でぇー、なんで雛ちゃん誘ったかってゆーと、お話したかったわけ」


ケーキを注文し終えると、美紀さんは話始めた。


「ほら、美紀って雛ちゃんのこと嫌いじゃん?」


さも当たり前のように言う美紀さんの言葉がぐさりと刺さる。
なんて真っ向勝負な方でしょう……。


「でも雛ちゃんと絡まなくなってから佳代たちの様子が変でさぁ、心ここに有らずーみたいな」

「はぁ…」

「面白くないんだけどさ、それって雛ちゃんのせいみたいなの」

「え…?」

「だからぁ、雛ちゃんが気になっていつもぼんやりなの!」

「私、でも…」

「もーっ!なんでこんな子気にすんのかなぁ」

「………」


美紀さんの言うことはその通りで、何も言い返せない。


「……美紀的にはすっごく面白くないんだけど、佳代たちと仲直りしてあげてよ」

「……今更そんなこと、出来ません」

「なんで?まさかあんた、佳代のことうざいとか思ってないでしょーね!?」

「思ってません!でもダメです、私はいない方がいいんです…」

「何それ、意味わかんない」

「美紀さんにわかって頂かなくても結構です」


売り言葉に買い言葉というか。
はっとなって口をつぐむがもう遅い。
美紀さんは仏頂面で睨んできた。


「そーよ、あんたなんて元々いなきゃ良かったのよ!でも今現在ここにいるんだから仕方ないでしょ!?」

「…そんなことくらい私だってわかってます」

「ホントにわかってんの?会話噛み合わないんだけど」


睨みつける美紀さんをじとっと見返せば、ふんっと目を逸らされてしまった。
…わかってる。私がいなければ全部丸く収まるんです。





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