風のおとしもの。







「見てこれー!ちょぉ可愛いっ」

「とても良く似合ってますよ」

「なにぃ?その心にもないことゆぅ店員みたいな言い方ぁ」

「………ごめんなさい、私やっぱり良くわからなくて」


雑貨屋でキラキラした髪飾りをつける美紀さんは、確かに可愛かった。
でもこれが美紀さんに似合っているのかどうかはわからない。


「まぁいいけど」

「すみません」

「こーゆーのは似合う似合わないじゃなくて、好きか嫌いかが大事だから」


美紀さんは鏡の前であれこれ付け替える。
…そういうものなのかな。


「物事は深く考えちゃダメ」

「はぁ…」

「雛ちゃんは佳代のこと好き?」


雑談の流れで聞かれ、一瞬何を聞かれたのかわからなかった。
びっくりして美紀さんを見ると、相変わらず鏡とにらめっこしている。


「里香のこともさぁ、好き?」


ちらりと返事を促され、目を逸らす。


「……嫌いなら仕方ないけど」

「っそんなわけ!―――」


興味なさそうな美紀さんの言葉に、とっさに反論してしまった。
にたりとする美紀さんは、まだ髪飾りを取っ替え引っ替えしてる。


「じゃあ答えは簡単だね」


これにしたっ☆と、美紀さんはキラキラ光る髪留めを手にした。




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