風のおとしもの。


「人傷付けないで人間関係築けるわけないじゃん。雛ちゃん意外とバカ?」

「なっ」

「てゆーか、自分が傷つきたくないだけでしょ?」


ぐさっ。
胸が射抜かれたように衝撃を受ける。

そんなこと思ってない。
そんなんじゃない。
なのになんで脈が早くなるの。


「ホント身勝手だよねぇ、そーゆーとこも嫌ぁい」

「………」

「…あのさぁ、もう意地張らなくていーんじゃない?」

「……私、は…」

「認めなよ」


はぁとため息をつく美紀さんは、手にした髪留めを弄ぶ。


「仲直りしたいけど、また傷つけられるのが怖いんでしょ」

「…………はい」

「素直じゃん」


楽しそうにする美紀さんは、今度は文具に手を伸ばす。
カラフルなボールペンや、キャラクターの形の消しゴムを手に取っては戻していく。


「でもそれだけじゃなく、やっぱり、傷つけるのも怖いんです」

「……雛ちゃんが思ってる程、佳代たちは弱くないよ」

「私、言葉で人を殺したことがあるんです」


ぎょっとした顔で見つめられた。
手にしかけたシャーペンがごとっと落ちる。


「だから、怖いんです」

「………美紀よくわかんないけどさ、」


美紀さんはくるりとスカートを翻し、悪戯に笑う。



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