風のおとしもの。






「まだ明るいけど気をつけてね~」

「はい」


美紀さんは玄関まで送ってくれました。
色々文句を言うくせに、とっても優しい人だというのが最近かわかってきた。


「佳代たちの件も考えといてねっ」

「…はい」

「美紀最初は佳代たちのことばっか考えてたけど、今はそれだけじゃないから」

「?」

「ホント鈍いよね!」

「…ごめんなさい」


夕日のせいか、美紀さんの頬に赤みがさして見える。
また怒られてしまいました。


「…今はちゃんと、雛ちゃんのことも考えてるから」

「!」

「シャーペン、仲直りの印ってゆったでしょ!じゃーね!」

「あっ」


早口に告げると、美紀さんは家に戻っていってしまった。


「……美紀さん」


胸が暖かくなる。

好きは好き。
嫌いは嫌い。
すごく正直で真っ直ぐな人だから。


「早く帰んなよ!」


がらっと音がして、窓から美紀さんが顔を出した。
その顔はやっぱり赤く照らされている。


「私も!美紀さんが大好きです!」

「はぁ!?」

「だから、大好き!」

「意味わかんないし!つーか恥ずかしいから大声出すな!!」


ばんっと窓が閉められてしまう。
照れ臭いんだろうなって思ったら可愛くて、笑いが止まらない。
美紀さん家の門前でお腹を抱えていると玄関の戸が開き、出てきた美紀さんに肩を叩かれた。

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