風のおとしもの。



「………で、お前は何がいいんだよ?」

「へ?」

「さっさとしろ」

「え、えと……」


ふて腐れてるけど、買ってきてくれるみたい。
どうしよ、何も考えてなかった。


「……わっ、わたあめが、いいです」


言うと、村井君の表情が曇る。
わたあめも男の子には買いづらいものなのでしょうか。
やってしまった。


「………わかった」

「鷹文、キティちゃんの袋な」

「っるせぇ!」


ニヤニヤ笑う佳代さんに叫ぶと、村井君はさっさと歩きだしていった。


「あの、私も行きましょうか?」

「絶対ぇくんな!」


そこにいろよと念を押されてしまったので、そのまま村井君を見送った。


「あー面白すぎて涙出てきた」

「村井って意外にヘタレなんだねぇ」

「つか雛連れてって雛に頼んでもらえば済んだのにさ、絶対頼むトコ見られるの恥ずかしいから断ったよね」


相変わらず笑い続ける二人は、さっきからお腹を押さえて前屈みになっている。
二人ともはたから見たら相当おかしいです。


「元気そうでよかった」


小さく笑っていると、里香さんが隣りに立っていた。


「…はい」


私も今、そう思っていた。
やっぱり友達っていいな。



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