インターン・シップ

もうここに来ることはないだろう。


ここにいい思い出もないし、楽しこともひとつだってなかったのに…いざ去る日がきたら感慨深いもんがある。


でもだからっていつまでもここにいても仕方ない。

荷物を持って重たい腰を上がると、ガラーンとした部屋を眺め…


「お世話になりました」

ポツリと一人呟くと、控室を出た。


もう振り返らずに従業員専用出入り口をくぐると……壁にもたれ掛かってタバコを吸う社長がいた。


ただでさえ今、感傷的になってて今にも涙が流れそうなのに……待ってるなんて卑怯だ。


突っ立ってポロポロと涙を流す私に気づき、社長がこっちに来た。
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