インターン・シップ

「遅ぇ…。
おい、何で泣いてんだ、お前??」


「………社長のせいだし」

「わけわかんねぇことで泣いてんじゃねぇ。とっとと帰んぞ!」


そう言うと、私の手を握って歩き出した。


いつもこの大きな温かい手に守られてた。
憎まれ口ばっかり言うくせに。


おちょくってきたり、本気でムカつく時があるけど……この手が好き。

社長が……好き。


私の前を、私の手を引きながら歩いてくれる社長に


「…ありがとう」


小さな小さな声でお礼を言った。


そしたら急にピタッと歩くのを止め、私の顔をまじまじと見てくる。
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