氷の上のプリンセス
『………。』
「…誰かに、また変なことされてないか?」
『………はい。
大丈夫です。』
ドキドキしすぎて、上手く頭が回転せず、すぐに反応できない。
ドキドキするけど、先輩の胸はあったかくて、気持ちがいい。
こんな風に、感じたことは初めてで、どうしたら良いかわかんない。
「そうか……。」
〜〜♪〜〜
不意に、私の携帯から着信用に設定してあるオルゴールの音色が鳴る。
音色が鳴り終わる前に先輩が私から離れた。
先輩の温もりがなくなった私の体は、一気に体温が下がっていくような気がした。
「出ないのか?」
『あっ、メールなので…。』
私は、答えると同時に先輩の顔に顔を向けた。
「……そうか…。
……もう、遅いから帰るけど、お前どうする?」
『私も帰ります。』
「リンク行かなくていいのか?」
『はい。
なんか、もう十分なんで。』
私、何言ってんだろ?
.