片耳ピアス
気付いた。
それは
今思えば
すごく子どもだったとき。


「りっ君てカッコイイよねー」
「…うん」

「かなねー、りっ君大好きっ!
りっ君のお嫁さんになるんだー」


小一が何を言うか。
まぁ私もそうだけど。


隣で楽しそうに笑う子…
かなこと萩原可奈。
そのキラキラのおめめは
いつもりっ君こと及川律を
追い掛けていた。


私の方も見てほしい。
そう思ったのは突然で、
小一の自分には
すごく自然なことに思えた。



そう。
私こと木野内未埜は
かなが言う「すき」の意味で
かなのことが好きだった。
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