―高校生戦争―
そんな事を考えていると、いつの間にか話を終えていたらしい十町が、
俺の肩を叩いた。


「おぃ、神谷ー。また呼び出されてんぞ。

モテる男はいいねぇ☆」


十町はケラケラと笑い、ドアの方を指差す。



ドアの方に視線を向けると、恥ずかしそうに下を向く二人組の女子が見えた。

「本日2回目〜☆
あれは一年生じゃん。

すごいね〜神谷クンは」


なんて言っている十町の頭を軽く叩くと、俺は自分の席を立った。



ドアの前まで行くと、二人のうちの一人が真っ赤になった顔を上げて、俺と視線を合わせた。





『俺に、何か?』




わかっていて

聞いてみる。





めんどくさい。

告白なんて。









どうせ、

俺の家の会社と自分の家の会社を結び付ける為に、親しくなってこい。


とでも親に言われたのだろう。


そうでなければ、


俺の顔に惹かれたか。






俺に、内面的に良いところが無いという事は、


俺が1番わかっている。








みんな同じだ。




めんどくさい。







早く、


終わってくれ。










俺の願いが通じたのかは
わからないが、
目の前の女はようやく決心が着いたらしく、

大きな目を更に大きくして、俺に向き直った。



「あっ…あのっ」


その時、



「そこ。入り口に立たれると邪魔なんだけど。

どいてもらえないかしら。」


話そうとした女子の後ろにたたずんでいたのは、
微笑を浮かべた美しい女。
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