私に恋を教えてくれてありがとう【下】
「……ETC」

滝瀬は太い指でフォークを扱い
自分のパスタに入っている

血の色のたかの爪の輪へと

器用に引っ掛け

「……ホテルへの立ち入り」


皿の縁へ取り除き


「……ふふふふっ!」


悪戯に笑った。



華子はまるで石化したかのようになった。


頭は真っ白になり

喉もとは激しく焼け

今にも意識をなくしてしまいそうだ。


しかしその中でも

冷静な華子は存在した。



“どこまでが真実なのか?!”



この女が口にしたこと全てが真実とは限らない。


手帳も本物なのだろうか!?



……ふと


こんな窮地にも関わらず

牧田との思い出が華子の頭によぎった……



それは 


関係を持ってから 

初めての診察介助の時の事である…………・・・・・・


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