LASTLOVE
「うん…。でもさ、果物とか食べられるものあるかも。植物とかさ。だってグアムって、まだ先住民族いるでしょ?」

「ああ。観光客相手の現代的な先住民族がな。」

あたしは、返す言葉が無かった。

「ごめんね。」

「クジは運だから。他で運を使えばいいよ。今は食料と鍵だな。」

「うん。」

政樹は切り替えが早いから助かる。

あたし達は足元や回りを気にしながら進んだ。

浜辺はヤシの木なんかもあって、リゾートぽかったが、森はじめっとした雰囲気だし、まるでジャングルのようだ。

あたし達は暗くなるまで、必死に鍵を探したが収穫は無かった。

時刻は19時を回り、空には星が散りばめられ、シャンパンカラーをした半月が浮かんでいた。
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