LASTLOVE
「モリみたいにして、突いたら?」

「濱口か。」

政樹が力無く笑う。

夜も相変わらず蒸し暑い。食料もなきゃ、水もない。慣れない蒸し暑さが体温を奪う。

「海のが涼しいかもよ。」
あたしは、海に足を付けた。その瞬間…グニャリと何かを踏み付けた。

「キャアアア!!!」

素っ頓狂な悲鳴をあげて浜辺に戻った。

「どした?」

「何か踏んだみたい。」

「あっ…!」

政樹がニヤリと笑い、海に向かって歩きだした。

「そうだった!!グアムの海は遠浅だ。魚もたくさんいるし、何よりナマコがうようよしてるぞ。」
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