LASTLOVE
「ナマコ?」

「食べたことないか?」

「うん…。」

政樹は、海をフラフラと歩き、何かを掴んでこっちへやって来た。

「これだよ。」

手には、ベローンとした、黒い気持ち悪い生き物がいる。

「キャアアア!!無理!!」

「これ、うまいんだぞ。親父が酒の肴にするって昔買ってきてたんだ。」

あたしは、まじまじと見た。

次の瞬間、プヒャーと何か白い物体がナマコから飛び出した。

「ひぃぃ!!」

あたしは、悲鳴をあげて後ずさりした。

「うわ!これはさすがに気持ち悪いな!この白いのは確か内蔵だったかな。防衛本能で出すらしい。」
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