LASTLOVE
「へえ。まぁ無理ね。こんなの食べるくらいなら…」
『死んだほうがマシ』と言いたくなったが、それは言えなかった。

耐え難い空腹感や、ありえない状況の渦中だったから。

「…調理は?」

「塩でぬめりを取るんだ。海水から塩は取れるな。」
「海水を沸騰させなきゃじゃない。」

「あの、鉄製の箱なら鍋になりそうじゃないか?自分達の箱を探すのが優先だな。」

「そうね。」

あたし達は浜辺に戻り、横になった。

一気に疲れが押し寄せてきて瞼が重い。

「なぁ?今日は、何も考えずに鍵を探してたがそれじゃだめだと思わないか?」
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