蒼い月の雫
ガシャァァンッッ
「何!?」
階下でガラスの割れる音がした.
それも皿が割れるようなちゃちな音ではなく,何十,何百枚ものガラスが一度に割れるような音だった.
「奴らは俺達がお前と接触するのが気に食わないらしい」
狗音は口元だけの笑みを見せると姫が入ってきたベランダの窓を開け,外に飛び出した.
「姫!狼を頼む!」
「あいよっ!」
姫は威勢良く返事すると狼とベランダに出た.
「アタシ達がエモーションだってこと証明したげるっっ!」
姫の綺麗な銀色の髪がザワザワと音を立てながら地面に着くまで伸びた.
そして,満月に向かって・・・
「――――――ッ」