ショートケーキ
彼の言葉が、凄く、凄く凄く悲しかった。私は、彼のために何も出来てなかったってことじゃんか。
彼に愛されてなかったってこと、ともいえる。今まで喧嘩してたのも彼にとっては鬱陶しいものだったんだ。
私、駄目じゃん。
「―――――――っ」
声を殺して泣く。大声を出して泣きたいけどそうしたら星が見えなくなっちゃう。彼との思い出の場所が掠れちゃうもん。
「――そう言えば、俺達プラネタリウム館が初めて会った場所だったな。」
「は?」
急に何を話すかと思ったら口が勝手に動いては?とか言ってしまった。だけど彼はそんなんも無視して
「ここが俺達の原点だから、ここで今の関係を終わらせよう。それで――」
あれ、なんか声がおっきくなってる?こんな時に携帯壊れちゃった!?
そんなこと思ってたら急に後ろから誰かに抱き締められて
この匂い、知ってるよ?この温もり、現実かな?
「ここからさ、もう一度やり直そ。いや、チャンス、くれないかな?」
「――っ、なんで…」
なんで来ちゃうかな。なんで自分はこんなに泣いてるのかな。
なんでこんなに、彼の温もりに安心してるのかな。
「君が好きだから。」
その言葉、信じていいですか。
*王様ゲーム*