ほっとちょこれーと *【完】
声
那岐だった。
「おめでと 兄貴」
「………おう」
那岐の手を羽実ちゃんが握っている。
羽実ちゃんはどこまで知ってるんだろ……
もしかしたら全部知ってるのかな?
「心結」
「………あ」
「おいでおいで」
みんなが見てるなか
颯斗があたしの手を引いた。
「八嶋も行こ」
「何よぅ……ついでみたいに言わないで」
ブツブツ言いながらも灯璃が後ろからついてくる。
……どこ行くの?
行き着いたのは思い出の場所
グラウンド
全学年のサッカー部員が集まってる。
「桐谷先輩」
要君にサッカーボールを渡される。
サインボール
麻友ちゃんが灯璃にも同じ物を渡すのが見える。
あぁ……そっか
毎年恒例の行事だったね。
忘れてたや……
辺りを見回すけど勇心君と翼の姿はない。
当たり前か……
「胴上げすんぞー」
「「おー♪」」
要君を筆頭に颯斗に群がる。
この雰囲気 懐かしいな……
自然と顔がほころぶ。
サッカー部のマネージャーでよかった。
灯璃をみると
また泣いていた。
どんだけ?!